湘南医療福祉専門学校

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深澤先生のブログ「東洋医学とスポーツ♯11」

2月に入り日本のプロ野球もキャンプが始まりました。もう少しするとアメリカ・メジャーリーグでもキャンプが始まります。
ワクワクしますね!(私だけかもしれませんが・・・)

キャンプが始まると「野球シーズン」がようやく来た!と嬉しく思う反面、仕事量が一気に増えるので毎日が緊張の連続です。
私もヤクルトで8年間、ドジャースで4年間、プロスポーツの現場を経験してきましたが、シーズンの中でこの時期が一番辛く大変だったと記憶しています。

日米のシステムの違いはありますが、我々施術に従事する立場の人間としては「選手を想う気持ち」に変わりはありません。選手たちは、このキャンプで調子を整えシーズンを迎えます。
その成果如何で今後の人生が変わると言っても過言ではないくらい、重要な時期なのです。

だから皆「ケガ」をしたくないのです。そんな選手たちの気持ちに応えられるように、努力しなくてはならないのです。

「故障ゼロ」が我々の目標ですが、残念ながらこの目標を達成できたことはありません。しかし、ここに取り組まなくてはならないと思います。

キャンプ期間中に選手たちの疲労状態を確認し、個人・チーム練習に差しさわりないように対応しなくてはなりません。
通常はマッサージやストレッチング・エクササイズ・トレーニングなどをバランス良く行います。

中でもマッサージや鍼灸治療の割合が多くなることが普通です。
以前どんな状態・状況の時に鍼灸治療が有効か?という話をさせてもらいました。マッサージで疲労回復を図る事は大切ですが、キャンプのように身体を動かして技術を身に付けようとしている時は意図的に筋肉に負担をかけています。

これを常にマッサージしてしまうと、せっかくの強化が無駄になってしまう場合もあるわけです。ですから、そういう状態の時に施術として活躍するのが「鍼灸治療」です。
日本のプロ野球の場合、レギュラークラス・今年期待されている選手40~50名程度が集まって行うのが「一軍キャンプ」です。 

途中でカットされていくので、最終的には30名程度の選手に絞り込まれますが・・・この当初40名強の選手たちを、おおよそ3名のトレーナー(球団によってスタッフの人数は異なります)で管理し毎日健康な状態で練習に参加できるようにします。

ここで突然ですが、キャンプ期間約一ヶ月の中でどれくらいの「鍼」が施術に使われると思いますか?
細かい本数は私も調べていませんが、私自身一年間の仕事に必要な治療道具を管理する担当をしていたので、毎年キャンプ前には「寸6-2番」「寸6-3番」を各3000本、その他2寸や寸3等も各1000本用意します。

キャンプ終了後残った鍼の本数を調べると寸6は平均1000本、2寸、寸3は300本程度しか残りません。
ということは、合計5000本くらいがキャンプの施術に使われているということです。

これが多いのか少ないのかわかりません。ケガの状況だったり、施術者のプラン、考え方で使われる本数は変わりますからね。
しかし、プロ野球というスポーツの現場で行われている日々のメンテナンスに「鍼治療」が占める割合は思っている以上にあるということがご理解いただけるのではないでしょうか。

一見、東洋医学的な特に鍼灸治療がスポーツの現場でリンクされるということは、イメージしにくいと思いますが、それは先入観であって実際は大いに関わりがあるということです。
皆さんが施術所を開設された場合でも、このようなスポーツに関わりのある人たちが鍼灸治療を受けにきてくれることもあるでしょう。

そういった時に、是非鍼灸治療でトライして欲しいと思います。その時のために今は徹底的に基本的な知識・技術を身に付けておいて下さい。
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