
2009年04月21日 13:26日
さあ、今日も元気に行きましょう!
今回はアスレティックトレーナーMLB編(鍼治療)をお届けします。
鍼治療(Acupuncture Treatment)自体はまだまだMLBの中に浸透しているとは言えないのが実情です。
2002年に私がドジャースに入団した際にも、マッサージに関してはある程度の認識を得てはいましたが、‘鍼‘というもの自体‘謎めいた道具‘くらいにしか思われていなかったんです。
当時、野茂・石井という日本を代表する選手が在籍しており、彼等は鍼治療が大好きだったこともあり治療の中で鍼を使うケースがとても多くありました。しかし、そんな鍼治療を行っている時に「このジャップは一体何をしているんだ?そんな不気味な道具で治るわけがないだろう!日本人のやることは野蛮で危ないな!」などといった話が良く聞こえてきましたからね。
鍼治療を認めてくれたヘッドトレーナー、スタン・ジョンストンとドクター、フランク・ジョーブ
ただ私が幸運だったのが、ドジャースのヘッドトレーナーである‘スタン・ジョンストン‘の考えで「治療法に関しては色々なことを試してみて良ければ継続して行い、それが何故有効なのかということを考えよう」という姿勢を持っていてくれたことです。
初めて鍼治療に挑戦したブライアン・ジョーダン㊨33番(彼はNFLプレーヤーとしても有名)
そういった経緯もあり、その後は日本人選手以外にも鍼治療を施すようにはなりました。しかし、まだまだ問題は続きます!ある時、当日の先発投手(オマー・ダール選手)が寝違いを起こし「何とかして欲しい」と訴えてきたのです。そこで私は、日本時代からよく使っていた円皮鍼を彼の首周辺に貼って試合に投げさせたのです。
ところがその円皮鍼が思いっきりシャツの首周辺から出ていて、さらにはスポーツ専門チャンネル‘ESPN‘のTV放送で全米に放映され、ご丁寧にも解説者が画面上に印をつけて「これは何ですかね?」とやられてしまったのです。
お陰で、私は監督・GM・ヘッドトレーナーから「こういうことをする時は必ず報告するように」と厳しくお叱りの言葉を頂いてしまいましたよ・・・まあこれは私のミスですが・・
日本の感覚で円皮鍼くらいなら報告はいらないと勝手に思い込んでしまったのがいけないのです。
鍼治療のとりこになったベテラン選手のウィルソン・アルバレス投手
それ以来、鍼治療を行う際には必ずヘッドトレーナー・ドクター・GM・監督の許可を得てからではないと施術してはならないという規則が出来上がりました!!!
ただ、これは日本的には厳しい条件のように思われますが、実際は訴訟社会の米国においては自分の身を守るためにもとても大事なポイントなので逆にありがたいことなのかもしれませんね。でも一部分にはまだまだ鍼治療というものが信用されてないということも含まれているとは思います。
鍼治療の効果を広めてくれた、西武ライオンズでプレーしたことがあるジオバニー・カラーラ投手
それでも、メジャーリーグのトリートメント分野において日本の‘鍼治療‘というものが加わりその効果は実戦の中でも十分に有効であるということを証明する第一歩にはつながったと確信しています。ドジャースでは現在でも日本人トレーナーの必要性・鍼治療の必要性を感じて継続してくれていますからね。
さあ次は、皆さんがこの道をもっと切り開いて行く番ですよ!!! それではまた!!!
腰痛を起こし、いやいやながら鍼治療を受けてくれたがその効果に意外と鍼好きに変わっていったエリック・ガンニェー投手