
2009年04月21日 13:53日
ドジャースのキャンプ地フロリダ州ベロビーチ
‘06年もあと僅かで終わりを告げようとしています。皆さんにとって‘06年はどのような年でしたか?年の終わりだから必ずしも評価しなくてはいけないということはありませんが、ひとつの目安として考えれば良い区切りになるのではないでしょうか。
私にとっての‘06年は波乱万丈を含みつつもまた新しい自分のスタイルというものに挑戦し始めることができた、いわゆる「新しいスタート」となった年でありました。ですから今現在でこの評価をすることはできませんが、これから‘07年に向けてさらに飛躍できるように今の行動を継続していくことが必要となりそうです。
そんな御託を並べているうちに‘06年最後のトレーナーへの道となってしまいました。そこで今回は、私が経験してきた「ベースボール・トレーナーの1日」というか、トレーナーの日々のスケジュールを紹介してみようかと思います。
以前にも紹介しましたが、70名の選手でごった返すトレーナーズルーム(正式名称はトレーニングルームです)
先ずは、野球シーズン到来を告げる「スプリングトレーニング(キャンプ)」から始めてみましょう!ドジャースのキャンプは毎年2月15日頃からフロリダ州ベロビーチで行われます。日本と違いトレーナーはこの施設(ドジャースが有する施設ドジャータウン)に2月12~13日頃に集合します(メジャーからマイナーの全てのトレーナー)そして15日前後の2日間を使い最初の集合日に集まる投手と捕手(約40名)のメディカルチェックを行いキャンプの準備を進めていきます。
リハビリ選手が使用するスイムエクササイズプールとアップやダウンで使用するウォールプール
16日頃が練習初日となりますが、トレーナーにとってはここからが地獄の始まりです。なぜならば、キャンプの練習開始は午前10時ですが練習前に行われるミーティングや故障選手のチェックなどを行うため毎朝5時30分起床し6時にはトレーナーズオフィスに集合して仕事場のセットアップを行わなくてはならないからです。
オフィスに隣接されているウエイトルーム
7時からトレーナーミーティングが始まり、7時30分頃には故障選手がトレーナールームにやって来ます。そして状態のチェックやトリートメント、トレーニングなどを行って練習に参加させる体制を整えなければなりません。次々とやって来る選手はベッド8台あるトレーナールームの全てを埋め尽くし9時頃には順番待ちの選手が出てしまうほどになります。
アップ中に選手の状態チェックを行います。選手に日焼け止めを渡し歩くのもトレーナーの仕事です。
その間、メジャーを担当するトレーナー(約5名)は対応に追われできるだけ多くの選手にアプローチしなくてはならないのでその仕事は正確さとスピーディーさが求められるのです。こんな戦場のような忙しさが終わると次は5箇所に分かれて行われる練習の全てをチェックするために3台保有するトレーナー専用のゴルフカートに乗り込み、ローテーションで動きまわるわけです。
メジャーの練習が終わり、マイナー選手が練習する中で石井選手のストレッチを行いました。
練習中にアクシデントが発生しないか?故障選手の状況はどうなのか?色々なチェックポイントを確認しながら「無線機」を使って連絡をとりながら練習状況を報告していきます。メジャーの練習は全体練習が午後1時頃に終わるので(後は個人練習が午後5時頃まで続きます)その頃にはほとんどのトレーナーがトレーナールームに戻り、選手の練習後のケアや状態チェック、トレーニングを行います。
トレーナーのカートで選手の送り迎え?いやいや次の練習パートへの移動の際にたまたま居合わせた石井選手とペレス選手を乗せています。
そして、午後6時頃からその日のレポートをコンピュータに入力しプリントアウトして監督・コーチ、GMなどに配り終わるとだいたいの1日が終わったという感じになるのです。このような基本ラインがあり、その後2月22日頃に合流してくる野手たちがやって来るとその忙しさはさらに輪をかけます。この頃には全員で約70名になりますからね。
とてものどかな練習風景ですが、我々スタッフは毎日が大忙しです!(ベロビーチのメインスタジアム・ホールマンスタジアムにて)
それでもまだ2月の練習のみの状況の時は夜8時頃には宿舎に戻れますから良いですが、3月に入ってオープン戦が始まるとそうは行きません!練習開始時間に変わりはありませんが午後1時からゲーム出場組と練習継続組に分かれるのでその対応にまた追われてしまうのです。
オープン戦ではこんな綺麗な風景もあります。
アメリカのキャンプ・オープン戦はフロリダやアリゾナに分かれて行われるので、フロリダでキャンプを張っているチームはフロリダ州の中を毎日あちらこちらへと移動して試合が行われます。ですから遠いところだと移動だけで5時間かかる場合もあるのです。遠征に出る場合はトレーナーも遠征組と残留組に分かれ、残留組(私はほとんど残留でした)は残って練習する選手に対する仕事と遠征組がゲームを終えて帰ってくるのを待たなくてはならないので、遅い時は夜1時・2時頃までトレーナーズオフィスに足止めを食らってしまいます。
オープン戦では突然のスコールで試合中断も度々起こります。
それから宿舎に戻って「さあ寝るか!えっーあと3時間後には起きなきゃ!」ということが度々ありました。こんな地獄のような生活が1ヶ月半くらい延々と続くので、正直に言って毎年2月が近づくと憂鬱で仕方ありませんでしたね。ただこの辛い日々をクリアした時にはなんとも言えない「達成感」があり「自信」に繋がって行くのです。
だいぶ書ききれない状況になってしまいましたので、続きはまた次回!‘07年の1回目でお会いしましょう!それでは皆さん「良いお年を!」「A Happy new year !!」