トレーナーの現場から 第6回

2009年04月21日 15:18日

今年の夏は「本当に暑いです!」毎年、今年の夏は暑いと言いますが・・・今回こそ本当に本当に暑い・・・と思います。多分・・・(8月の暑い中で書いています)

そんなくだらない前置きはいらない!と言われそうですが、どうしても言いたかったので・・・すみません。

ところで、前回は「コンディショニング」についてのお話をさせていただきました。そこで今回は「コンディショニング」の考え方のおさらいと、Shoulder Exerciseについてのお話をしてみようと思います。

コンディショニングを行う際、最も大切なことは相手と良く話をすることです。相手が何を求めているのか?何を目指しているのか?そのゴールとなるところは?コンディショニングを行って行く中で、どんな考え・行動をとれるのか?その他多くの事を、把握しておかなくてはなりません。

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選手とのコミュニケーションは仕事を円滑に行うために最も大切なことです。

ただ簡単にプログラムを作成して「はい!この通りにやって!」というわけにはいかないのです。トレーニング・エクササイズの処方でも、教科書に出ている通りに処方するわけにはいきません。

相手を良く知り、メディカルチェック・フィジカルチェックを行うことで、より明確な目標に対するコンディショニングプログラムができてきます。その中にはもちろん、食事・栄養面であったり、体力強化・維持・管理があるということを覚えておいてください。

そして、コンディショニングを実行するにあたり①Mindset②Nutrition③Movement④Recoveryの4項目を常に考えておかなくてはなりません。これらのことを、中心にして生活スタイルに変化を持たせ、クセをつけるようにして、何度も繰り返し、習慣にさせていかなくてはならないのです。

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どんな小さなことでも日常のチェックは欠かせません。

難しくなってしまいましたが、簡単に言うと。今より良くなるために必要なことは取り入れ変化させて習慣にさせてしまい。さらに、自身を向上させるためには強化だけでなく回復も必要であるということです。

そんな習慣のひとつに「野球」では「Shoulder Exercise」というものがあります。通称「Jobe’s」=「Jobe Exercise」です。 いわゆる、ローテーターカフ(肩腱板)エクササイズというものですね!日本では良くインナーマッスルという表現を使いますが、アメリカでインナーマッスルと言っても理解してくれません。特に肩関節においては、ローテーターカフと表現しないと意味が通じないのです。

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Jobe Exerciseを考案したドクター、フランク・ジョーブ(写真右)

ドジャースでは、このJobe`sを投手の場合中4日で登板した翌日と3日目に必ずトレーナーの見ている前で行わなくてはならないというルールがありました。そういう習慣をつけることで、故障の防止・抑制に繋がって行くわけです。

2002年では、このJobe`sを投手たちに強制していませんでした。結果「肩関節障害」に泣く選手が多かったので、この失敗を活かし翌2003年より投手全員と肩に障害を持つ野手には「強制的」に行わせました。

こういった、コンディショニングの習慣づけを行ったことにより2003年以降の「肩関節障害」の数は極端に減少し、2004年のシーズンではナショナルリーグ西地区で優勝することまで出来たわけです。この原動力となったのが投手陣であったことは言うまでもありません。

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ナショナルリーグ西地区で優勝を飾った瞬間。

もちろん、Jobe‘sだけが効果を出したわけではありませんが、プロフェッショナルとしてゲームに勝つために必要なことを「コンディショニング」として習慣づけられた成果であるということです。

次回は「Jobe Exercise」について解説していきたいと思います。それではまた!

広報室
湘南医療福祉専門学校