トレーナーの現場から 最終回

2009年04月21日 15:23日

皆さん、早いもので「トレーナーの現場から」もいよいよ最終回になってしまいました。本来はできるだけ現場で対応できるような内容で話を進めるつもりが、ついつい脱線してしまうことも多く目的とは違った方向に進んでしまったかもしれません。

ということで、今回は「極力現場」をテーマにお話したいと思います。私にとっても久し振りになりますが「日本プロ野球の春季キャンプ」を見学に行きましたのでそのお話を少し・・・今回訪問させていただいたのは、宮崎県南郷町で行われた「埼玉西武ライオンズ」のキャンプです。

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プロ野球の春季キャンプ!一体どんなことをしているのか?その辺りをレポートしてみたいと思います。通常日本のプロ野球は2月1日がキャンプスタートになり、この約1か月を使ってシーズンを戦うための準備をするわけです。選手の置かれた立場によってその取り組み方・内容は異なりますが、どの選手にとってもとても大切な時期であることは間違いありません。

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例年で考えると、プロ野球のキャンプは一日中「野球漬け」というのが通例でしたが、今回お邪魔した「ライオンズ」は少し変化が見られました。全体練習の開始は午前10時と変わりはありませんが、その前に早朝から個人練習を行いまた全体練習後に個人練習を行うスタイルをとっていました。そして練習後の夕食前にミーティングを行い夕食後は身体を休めたりプライベートな時間として過ごしていました。

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これは、私が経験してきたメジャーリーグのキャンプスタイルにとても良く似ているところです。メジャーでも全体練習は10時頃から行いますが、その前朝7時頃から各自が球場に早く入り自分のやるべき練習を行ってから全体練習に参加する方式です。もちろんこれは強制ではありません。そして全体練習後に個々の練習を尊重するのがメジャースタイルでした。

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早朝から身体を動かすということは、とても大切なことだと思います。朝早くから練習することにより、必ず朝食を食べる習慣が身につきます。そして練習に必要なエネルギーを摂取でき全体練習中に起こるケガの防止にも繋がりますし、自分のペースで身体を動かし始めますからここでもケガ・故障の防止効果が発揮されるようになるわけです。

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また、通常日本で行われている夜間練習の強制が無く夜の時間帯を自分の時間として過ごすことができることで「肉体疲労」以外のストレスから解放され、より通常練習の中で実のある効率の良い練習ができるということになるのではないでしょうか。全体練習以外を個人の技術・能力アップにあてることができるというのは、それだけ自分に課せられた責任が重くなるわけですがそれでも自分のやらなくてはならないことを自分で考え行うようになるということが己を成長させることになると私は思います。

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今回、見学した「ライオンズ」はそのあたりをとても効果的に行っているように見えました。勝たなくてはならないのはプロの宿命です。しかし、プロの選手として自分の仕事を行う為にはやはり自分で考え練習することが大事だと思います。このような環境の中で練習が行われていくと、トレーナーとしても「より選手のためにできることをやろう」という気持ちが強くなるはずです。

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我々トレーナーもただ「トレーニングをする」「治療をする」ということだけではなくて、「どのように」「どんなことを」いかに効率良く質の高い内容のものを選手に提供できるか?またできていたのか?ということを考え直さなくてはいけないのだと、改めて感じることができました。

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ということで、トレーナーの現場からは今回を持って最終回とさせていただきます。新年度からはどんな企画で続けて行くか?現在思案中でありますが、また何か皆さんのお役に立てるような内容のものを提供できたら?と考えております。それでは皆さんまたお会いしましょう! See you soon !!

広報室
湘南医療福祉専門学校