Trainer Report 第3回

2009年06月29日 10:31日

【東京マラソンレポート後篇】

前回に引き続き、東京マラソンレポートの後編です。今回は、去る3月22日(日)に行われた第3回東京マラソンのトレーナーサポートについて、その活動内容などのお話をしたいと思います。
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我々「ルートヴィガー」トレーナーチームが日頃から市民ランナーのボディメンテナンスやコンディショニングに関わっていることは前回お話させていただきました。通常は我々の治療院であるルートヴィガー広尾店に来ていただき、ランナーのスケジュールに合わせてエクササイズを行ったりメンテナンスを行ったりしますが、今回はあくまでも東京マラソンにおいてどのような活動を行ったか?についてのレポートになります。
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我々が東京マラソンにおいてサポートできるのは、ゴール地点である「東京ビッグサイト」内に設けられた大塚製薬アミノバリューブースだけに限られています。ここでゴールしたランナーたちを迎え入れるわけです。
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つまり、今回の活動はメンテナンスやケアといったところが主体になってくるわけです。そこで予め「ゴール後にランナーたちが何を求めているのか?」ということをルートヴィガースタッフ全員でミーティングを重ね、活動の内容を徹底するところから始まります。
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過去の経験と現在継続されているアスリートの状況を踏まえ、ゴール後に行うことは「下肢の疲労をできるだけ速やかに軽減すること」「障害・外傷が起きた時に速やかに処置して医療機関に送ること」「今後のマラソン活動をより良くしてもらうためのコンディショニング指導」という3点を軸として活動することにしました。

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「下肢の疲労を速やかに軽減する」という部分について考えた時、トレーナーとしてやるべきことやってはいけないことということを徹底しなくてはなりません。基本的に、42.195キロという距離を走って身体全体(特に下肢)にダメージを受けている状態で通常のマッサージを施すことは決して良いこととは思えません。
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そこで必要になってくることは、ダメージを受けた部位の炎症症状を緩和させることと、疲労を除去するということだと思うので「アイシング」と「ストレッチング」を最大のテーマとして活動することにしました。
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ゴールしたランナーに簡単なチェック方式の問診表に記入してもらいながら、現状を把握します。その後、必要に応じてストレッチングを行ってからほぼ全員に膝関節のアイシングを行いました。また、ランナーとのコミュニケーションを取ることで、現在必要と思われる部位にもアイシングをしてもらい、翌日以降の疲労回復に役立たせることを徹底して行っていきました。
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「アイシング」という単純な処置ですが、ダメージを受けた筋繊維の回復には一番効果が見られる手段だと思います。また、アイシングの時間(約15分)を利用して足にできてしまった「マメ」の処置も同時に行います。我々トレーナーだけでは、「マメ」の処置と言えど簡単にできることではありません。我々の活動をサポートしてくれているドクターの処方と許可を得てから「マメ」の処置にはベテランのトレーナーが対処しました。
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今年は雨が降った影響なのか、ランナーたちの足にマメができているケースが多く見られました。昨年(晴天)の状況と見比べてみても、マメを作ってしまったランナーの数が倍以上に増加していたことから考えても雨の中で走ることによってソックスとシューズの擦れ具合が強く出てしまったということが考えられるのではないでしょうか。
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このような「ストレッチ・アイシング・処置全般」といったアフターメンテナンスを行ったわけですが、昨年の利用者数120名から今年の利用者数205名という増加傾向からみても少しずつですが、我々のトレーナーサポートの効果を実感していただけるようになってきたのではないかと思われます。また、市民ランナーが増え続けていることから考えても我々のテーマである「市民ランナーのコンディショニング意識の向上」という部分においてはこれからも継続していく必要があると思われます。
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トレーナーの仕事は、身体を鍛えたり治したりするだけではありません。一人でも多くの方に「スポーツを好きになってもらう」ためにできることを実践・行動していかなくてはならないと思います。今回経験したことで、一般のスポーツ愛好家が非常に増加していること、スポーツは好きだけど練習方法など含めコンディショニングを理解できていない人が多いことを実感しました。
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我々も含め、これからトレーナーを目指す皆さんにも「正しいスポーツの行い方や楽しみ方」などを積極的に提案して行って欲しいと思います。一人でも多くの人が「スポーツって良いな!」と思っていただけるように!

広報室
湘南医療福祉専門学校