東洋療法科特別講演「緩和ケアにおける鍼灸治療の実際」を伺って

2009年07月03日 13:53日

今年度第一回目の東洋療法専科の特別講演は、「緩和ケアにおける鍼灸治療の実際」と題し、無量光寿庵はる治療院を開業され、国立がんセンターでご活躍されていらっしゃいます、鍼灸師の鈴木春子先生にご講演いただきました。
はり師・きゅう師を目指す専科の学生にレポートをお願いいたします。

今回、講演と実技を披露して頂いた鈴木春子先生にお会いできることを、私は密かに楽しみにしていました。今回の講演内容についての案内掲示板を見た際に、鈴木先生が緩和ケアに携わっているということ、そして開設されている治療院名が「無量光寿庵はる治療院」ということに心が大きく揺さぶられ、この方はとても素晴らしい方であろうと感じ取ったからです。

suzuki_01.JPG
※講義をしてくださっている鈴木先生

精神的にも肉体的にもつらい患者と正面から向き合う緩和ケア、それに携わる人たちも精神的・肉体的なタフさが求められます。その携わる人たちに中には、そのつらさに押しつぶされてしまう人、そのつらさから逃避するかのように無感情に患者と向き合ってしまう人もいるかもしれません。しかし、鈴木先生はつらい患者さんに治療を通じて、希望と生きがいを与えられる方だと講演会を聞いて感じました。

緩和ケアに携わる人たちだけでなく、鍼灸師の中でも名人と言われる方々、名を知らせている先生方は、とても穏やかで、患者のすべてを受け入れる懐の深さ、器の大きさを感じさせます。鍼灸師の技術云々というより前に、その人柄に自分の身体を預けようという気にさせるものがあります。

suzuki_02.JPG
※実際治療を模した講義も行われました。

今回講演していただいた鈴木先生は、やはりそのような寛容さを持っておられる方だと感じました。それは緩和ケアに携わったことで得られたものなのか、それとも、もともとそういう心持の方であったのかはわかりませんが、多くの患者さんが、余命が限られているという状況の中、鈴木先生と出会い、治療を受けることに感謝しているのだろうということは容易に推測でき、また感じられました。

私が鍼灸師を志したのは、自らの手と判断で、多くの人たちの役に立ちたいと思ったからです。学生となってこれまで様々なことを学んできましたが、最近思うことは、上記のような寛容さを私も身につけたいということです。私がそのテーマに相対しているときに、鈴木先生と出会えたことはとてもありがたいことでした。

リポーター
oohatasan.JPG
東洋療法専科Ⅰ部 3年 大畠 隆

広報室
湘南医療福祉専門学校