解剖実習を終えて

2010年02月09日 16:27日

12月18日、一年次のメインイベントとも言うべき解剖学実習が行われました。鍼灸師を志す私たちが、実際にご献体や臓器をもって勉強させていただく機会を頂けた事にまず感謝致します。
私は小学生の頃、「人体の不思議展」という、人の身体のしくみについての展示を見に行ったことがあり、その頃から少なからず人の身体について興味を持っていました。当時はただ漠然と標本を見ているだけで、人体の構造や細かい機能など、全く知知りませんでしたが、医療を学ぶ学生となった現在、解剖の授業で少しずつ構造や各臓器の機能などを勉強を重ねていくうちに、当時の経験がいかに貴重なものだったのかを改めて感じています。

今回の実習では、約一年勉強してきた経験を踏まえて、
1:当時と今の感じ方の違い
2:筋の起始から停止まではどのようになっているのか
3:内蔵器の実物の大きさや色や形はどのようなものか
という3つのテーマを持ち、実習に望みました。

実習は、全体で黙祷をした後、グループに分かれて、骨実習・献体実習・摘出臓器実習・標本実習を行いました。まず、はじめに行った骨実習は、二人一組になり、机上に一体の骨を組み立てていくというものでした。これまで何度も教科書や模型で見慣れていたので、安易に組み立てられるだろうと思っていましたが、いざやってみると、書物で見る物と実際は大きく違うだけでなく、自分自身の記憶も不確かで、なかなか思うように組み立てることはできませんでした。模型では知ることのできない骨の厚みや質感、細かい造形など総てが驚きでした。なかでも、肩甲骨などはライトにかざすと、光が透けて見えるほど薄いということが、とても印象に残りました。

続いて行われた献体実習では、筋肉を主に見られるご献体と、内蔵器を主に見られるご献体を用いて実習を行いました。今まで平面で見ていた構造とは違い、きれいに筋肉が折り重なって骨についている様子や、内蔵器がどのようにして体内に納められているのかが、立体的に観察することができました。座学と違った、五感すべてを使った学習をさせていただくことができました。
その後、日本でも有数の臓器の標本を見学する標本実習へと写り、各臓器の標本や病態など、普段ではけっして見ることの出来ない身体の内部を一つ一つ時間をかけて見学することができました。

実習を終えて、改めて人体の造形の神秘を感じるとともに、貴重な機会を与えていただいたにも関わらず、自分の基礎知識の低さのあまり吸収しきれなかった部分が多く、医療に関わる学生として日頃の勉強に取り組む姿勢の甘さを痛感しました。今回の経験を生かし、病気や疾患にだけとらわれるのではなく、常に患者さんの身体や気持ちを考えて治療ができる治療者になれるよう勉強を重ねたいと思います。

今回、このような大変貴重な勉強の場を提供してくださり、ご指導頂きました、解剖実習の先生方、引率の先生方、そしてご献体してくださった方々とそのご遺族の皆様に、改めて感謝を申し上げたいと思います。

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東洋療法科 専科1年 胡麻笑美子

広報室
湘南医療福祉専門学校