Trainer`s Report第9回

2010年02月19日 16:35日

今回は、トレーナー的な目線からかなり逸れますが日本と米国のプロスポーツビジネスという観点からお話をしたいと思います。
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昨年ワールドチャンピオンに輝いたニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手が契約期間満了に伴う契約更新で本人の希望である残留が叶わず、ロサンゼルス・エンゼルスと契約を結んだという報道はまだ記憶に新しいと思います。
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松井選手と言えば、ワールドシリーズで大活躍しヤンキースの優勝に大きく貢献しMVPを受賞した選手です。普通で考えれば、契約期間が終了したとはいえこれだけ活躍した選手の契約を更新しないということはあり得ません。
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しかし、ヤンキースのGMは今季のチーム構想において松井選手のポジションを「指名打者」として位置づけた結果MVPを獲得しチームに貢献した昨年の状況ではなく、新チームの構成上において必要とされる選手たちの補強を優先させたわけです。
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人情的には、活躍した選手を放出するなんてことは考えられません。しかし、MLBという巨大スポーツビジネスにおいては当たり前のことなのかも知れませんね。おそらく日本球界ではまずあり得ないでしょう。過去にも色々な背景によってやむなくトレードされたスーパースターたちが日本球界にもいました。しかし、そういう状況に置かれた選手たちは、その後永続的に遺恨を残し現役を引退してから何十年と経ってからようやくその時の経緯に理解を示せるようになったわけです。
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もちろんファンあってのプロスポーツビジネスですから、ファンの気持ちを無視した戦略を立てることはできないでしょう。しかし、アメリカのスポーツビジネスにおいては、日本と違い30球団ある中でその頂点を目指さなければならない・・・しかも、ヤンキースという伝統ある常勝を義務付けられたチームにとっては、選手個々のファンというよりもチームのファンを喜ばせることを優先に考えなければならないのだと思います。
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日本のチームがファンを思っていないということではありません。同じスポーツビジネスでも日本とアメリカでは形態も状況も違うということです。球団数の違い、地理的な問題、環境的な問題、選手年俸の違い、契約内容の違い・・・その他色々な違いがあるということだと思います。
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そんなスポーツビジネスを考えるのも意外と面白いかも知れませんね。私は、トレーナーとして選手側の立場に寄って物事を見てきましたが、アメリカで学んだひとつとしてトレーナーの仕事の中にもスポーツビジネスを考えた仕事をしなくてはならないということでした。皆さんも一度、こんな部分にも興味を持ってみてはいかがでしょうか。

広報室
湘南医療福祉専門学校