第1回 More than just vigor

2012年05月08日 09:35日

4月になり、いよいよ新年度の始まりです!
湘南医療福祉専門学校にご入学された皆様「ご入学おめでとうございます」皆さんは、これからプロフェッショナルとしてのスキルやテクニック、そしてプロとしての人格や思考を学んでいくことになります。

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私の専門は、野球を軸にしたアスレティックトレーナーです。しかし、その根底にあるものは東洋医学としての「鍼灸・あん摩・マッサージ・指圧師」です。この「鍼灸マッサージ」のライセンスがあるからこそ「アスレティックトレーナー」という仕事ができたと実感しています。

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そこで、これからはこのブログを通してスポーツだけでなく幅広い分野に関わる「東洋医学」的な話をしていきますので、どうぞ今年も一年お付き合い下さい!
そして、今年度のブログタイトルは「More than just vigor」です。これは、私たちの会社「Route Vigor」の今年度のスローガンで簡潔に言えば「より元気に!」という意味です。

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さて、新年度の最初のテーマは「東洋医学」に関係する話をしたいと思っているのですが、こんな状況の中でいきなり・・・

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皆さんはいわゆる「韓流ドラマ」を見ますか?実は、私はアメリカで仕事していた頃から結構ハマっているのです!ただ「韓流」と言っても恋愛や純愛がテーマのドラマではなく、韓国の大河ドラマ的な「時代劇」物が大好きです。

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もともと歴史は好きなのですが、今や日本の歴史より韓国の歴史の方が詳しいかも知れません。
何故こんな話をしたかと言うと、「韓流時代劇(事実に基づいて描かれているもの)」の中には意外と「東洋医学」に関係する内容が多く出てくるのです。

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一般的に有名な「宮廷料理人・宮廷医官チャングムの誓い」というドラマがあります。この中にも医学的な内容が多く栄養学や鍼灸治療などが多く盛り込まれています。
そして今回私がどうしてもお話したいものが「ホ・ジュン」というドラマです。

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「ホ・ジュン」は当時の身分制の中で、地方の両班の妾の子として生まれ育ったため本来勉強熱心で頭が良いのに身分が低いということを理由に不当な扱いを受けて育ちます。
そんな「ホ・ジュン」が多くの壁にぶつかりながらも「医官」を目指し、最終的には「御医」という宮廷の中でも王様を担当する最高の「医官」になる話しです。

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まあドラマのあらすじはどうでもいいのですが、この中で「ホ・ジュン」が医官を目指すきっかけとなった「ユ・ウィテ」という師匠との出会いがあります。
「ユ・ウィテ」はまだ駆け出しの「ホ・ジュン」の素質を見抜き、優しさと厳しさを持って教育していきます。

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その師匠の教えの中に「心医」という言葉が出てきます。
「心医」という言葉の意味は「医者になるならば、欲や名誉を捨て本当に苦しんでいる患者のために心血を注ぐ医者になれ」という意味が大きく含まれています。

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私は、そんなに偉いトレーナーではありませんが、この師匠「ユ・ウィテ」の考えに共感できます。そして、自分自身がトレーナー生活の中でずっと意識してきたことなのです。
トレーナーや施術者としてある程度の経験を積み自信を持ち始めると「俺は何でもできる」「俺は医学的な知識があるから偉いんだ」「俺はスター選手や著名人しか相手にしないんだ」などという馬鹿げた考えを持つトレーナーや施術者が出てくるのです。

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実際に、私の周りにもそのような考えを持った人たちがいました。だからこそ自分は「人の振り見て我が振り直せ」を徹底的に意識しました。
そして、この仕事をする以上苦しみや辛さを何とかして欲しいと願い自分のところに来てくれる人に真心込めて一生懸命施術しようと心に誓いました。今でもそのことは毎日心に刻みながら仕事しています。

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トレーナーや施術者が患者様を選んではいけないのです。自分の行ったことに対して見返りを求めてはいけないのです。施術の結果が良くも悪くも常に気持ちを込めて施術しなくてはなりません。そして結果が出なければ、悪ければ、良い結果が出るまで必死に施術に専念しなくてはいけないのです。

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この考えが「ホ・ジュン」に出てくる「心医」ということと同じではないかと思います。そしてこれから「東洋医学」を学ぶ皆さんにも、すでに資格を持って活動されている皆さんにも絶対に持ち続けて欲しい考えです。
我々は医者ではありません。でもだからこそ、気持ちを込めて一生懸命になれる仕事なのです。

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さあ、皆で東洋医学界の「心医」になりましょう!

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広報室
湘南医療福祉専門学校