第3回 More than just vigor

2012年06月19日 18:20日

6月に入り梅雨の季節を迎えようとしています。
そして、今年もまた「うだるような暑さ」を体験する日々が続くのでしょう・・・

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日本のスポーツ界も暑さと共に白熱していきます。
今年はオリンピックイヤーということで例年より多くの競技が注目を浴び、日本国民もその結果に一喜一憂するのだと思います。

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そんな状況の中で、我々トレーナーは常に「ケガや故障」と向き合っていかなくてはなりません。
本来トレーナーの目的は「予防」です。しかし残念ながら、現実はどんなに予防していても予防しきれないアクシデントに見舞われてしまいます。

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根本的には「予防」ですが、二次的な目的として「ケガに対する処置と回復促進」にも目を向けなくてはなりません。
そこで今回は「ケガからの早期回復」としてのトレーナー的視点から東洋医学との関わりについて話してみたいと思います。

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私の考えは、いたってシンプルです。もちろん医学的に生理学的にも考えなくてはなりませんが、ケガをしてしまった部位をできるだけ早く回復させたいと考えるなら余計なことは考えずシンプルに「可能な限り早く炎症を取り除き、
血流を促進させて自己の持つ回復能力を高める」ことにだけ着目するようにしています。

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スポーツ選手の場合、ここから競技復帰しなくてはならないのでプラスアルファとしてリハビリを視野に入れながら回復作業を進めます。
また場合によっては、回復出来ていなくても試合に参加させなくてはならないケースもあります。そういう場合でも現状より悪化させないように配慮しながら対応しなくてはなりません。

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こんな理不尽な状況で活動しなくてはならないのもトレーナーの仕事なのです。鍼灸マッサージ師が治療院で活動する場合には、もちろん一日も早い回復を考えつつも無理をさせない方針で進めていくでしょう。

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しかし、現場では時間的に余裕が無いケースが多いのです。
特にプロスポーツの選手の中には、ケガをして戦線離脱し復帰できないまま契約解雇されてしまうこともあり得ます。極端に言えば他人の生活がかかっているのです。こんなことを踏まえながら対応していきます。

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ケガをしてしまった場合、その対処方法として西洋医学的には「冷やすこと=アイシング」がメインとなり東洋医学的には陰陽説に基づいた抑制を主とし、鍼治療を行います。
次のステップでは回復に向かわせるので、西洋ではコントラスト(いわゆる交代浴)で、東洋では陰陽説や五行説を考え抑制と活性化を繰り返して行います。

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最終段階の回復期では温熱療法を軸として、西洋では物理的な刺激である超音波や赤外線 ホットパックなどを使用します。
東洋でも陰陽・五行説にならい灸などによる温熱刺激や鍼治療では活性化を軸に治療を進めるでしょう。

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このように西洋でも東洋でも手段の違いはあれど、同じ考えによって治療し回復させていくのです。
私の本分は東洋医学です。しかし、ドクターたちと連携を取る事で西洋医学的なアプローチを使うことも多いのです。

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こんな、西洋と東洋を融合させて考えアプローチするのも悪くはないと思います。どんな考え方や方法でも選手や患者様を一日も早く回復に向かわせるのが我々の役目だと思いますから。
そういう意味では、私にはプライドなどありませんし選手や患者様には私のプライドなんて関係ありませんからね!

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西洋の考え方や手法を東洋的にアレンジして現場で使い、選手や患者様のためになる方法として活用できるならこんなに良いことはありません。
皆さんも色々アイデアを振り絞って、より人のためになれるよう努力して行きましょう!

広報室
湘南医療福祉専門学校