第7回 More than just vigor

2012年10月14日 10:08日

今回は野球界に付き物である「トレード」について話したいと思います。
皆さんの「トレード」に対するイメージはどんな感じでしょうか?
おそらく一般的なイメージとしては「ネガティブ」な感覚の方が強いのではないでしょうか?

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最近の日本プロ野球では普通に行われるようになった「トレード」ですが、まだまだ「暗い」イメージだったり、言い方は良くありませんが「窓際」的なイメージの方が強いのではないかと思います。

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トレードが行われる時の球団の発表は「選手のため」「チームの不足部分を補う構想が一致した」というコメントが出されますが、その多くは建前であり選手にもチームにもあまり役立っていないトレードが多かったように感じています。

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何故このようなイメージが残ってしまうのでしょう?

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日本は12球団という少ないチームで活動していること、選手の保有権・商品価値の部分で球団に依存している割合が大きいことが挙げられると思います。
チーム数は選手がプレーできる環境に大きく影響しますし、選手契約の主導権はチーム側が強く握っていることがこのような状況や感覚になり易いのだと思います。

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建前としては「選手のため」「チーム構想の思惑が一致した」などと言いますが、実際は異なる理由で行われたトレードの方が多いように感じています。だからトレードの雰囲気が暗くイメージの悪いものが出来上がってしまったのではないでしょうか。

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それに引き換え、メジャーリーグの「トレード」は非常にポジティブです。そしてチームにも選手にも「ハッピー」な感覚をもたらしてくれます。
その要因としてあげられるのが、やはり30球団というチーム数になるのではないでしょうか?

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ただ単に、チームが多く選手のプレーできる環境が持ちやすいというだけでなく、各チームがワールドチャンピオンを目指している中でシーズンの動向を見守りながら優勝を目指せる位置にいるチームは積極的に補強に乗り出します。

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一方思うような展開になれず、優勝から遠のいてしまったチームもただ終わりを待つのではなく、球団の経営状態と来季の構想を考え商品価値の高い選手を放出し若手の有望株と見られる選手の獲得に乗り出します。
(良く行われるのが、スター選手1人と若手2~3人というような1対2や1対3などの複数トレードです。)

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結果、どちらのチームにもメリットが生まれるということです。
こんなやりくりを戦略的に積極的に行ったのが、以前ご紹介させていただいた「マネーボール」を実践したオークランド・アスレチックスです。

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ここ最近優勝から遠のいていたアスレチックスも2012年のシーズンでは、ダルビッシュ擁するレンジャースに最大十何ゲーム離されていたのを逆転し、ア・リーグ西地区で優勝しました。

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ヤンキースも電撃的に獲得した「イチロー」選手が活躍し、ア・リーグ東地区を制しました。
放出したマリナーズも優勝こそ逃したものの、若手主体のチームに生まれ変わりイチロー選手放出後チームに活気が生まれチーム状態が上がり来季に期待が持てる状況になったことは否めません。
(どちらのチームにもメリットがあったということですね)

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こんな状況から考えても、メジャーリーグでのトレードはどれをとっても有意義で活性化を期待できる内容であることに間違いありませんよね。
日本球界でもこのような内容のトレードに変化してくれると良いのではないか?と思います。
日本でもシーズン途中で優勝を争える位置にいるチームが下位チームから戦力補強し、その選手が活躍して優勝した!なんていうケースが生まれれば「トレード」のイメージも大幅に変わると思います。

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野球の世界だけでなく、世の中では常に変化が求められます。
メジャーのトレードのようにより良い方向に向かうための変化であれば、どんどん積極的に行っていくべきだと私は思います。

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皆さんも自分の置かれた立場・状況でより良い方向に向かうための変化を常に考え実践してみてはいかがでしょうか?
なんでもかんでもコロコロ変われということではありませんのでお間違えないように!

広報室
湘南医療福祉専門学校