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深沢先生のブログ「Oriental Spirits #5」
東洋医学というカテゴリーの中で、皆さんが主に学んで身に付けようとしているのが「鍼灸治療」です。通常、鍼灸治療では「経絡」「経穴」を用いて施術にあたりますが、私の得意とするところは「スポーツ鍼灸」になります。
専科の授業でも数コマ担当させていただき、現場で用いられている「スポーツ鍼灸」の考え方や技術を講義させていただいています。
通常の「鍼灸治療」と「スポーツ鍼灸」では一体何が違うのか?根本的な考え方や技術には変わりありません。
違いがあるとすると「経絡」や「経穴」で施術するのではなく「筋肉」「腱」「靭帯」を診た「西洋医学的」な施術をするところなのではないか?と私は考えています。
「陰陽」「五行」で物事を捉え考え施術するのではなく、西洋医学的に筋肉や靭帯・腱といった組織の損傷に対して解剖学的・生理学的に考え施術するのが「スポーツ鍼灸」なのではないでしょうか?
だからと言って、スポーツ鍼灸が特に偉いわけではありません。
その基本にある、鍼灸治療を行うことによって得られる効果はやはり「東洋医学」に準じているのです。
「鍼灸治療」は、とても優れた治療法だと思います。以前にも記述させていただいたように、急性的な障害に対しても有効でありリスクも少なく、慢性的な障害にも有効であるという優れものです!
現に、私が経験した野球というスポーツで「デッドボール」や「自打球」という「打撲症状」に関しては、西洋医学でも「アイシング」や「消炎鎮痛剤」を使用する程度ですが「鍼灸治療」であれば、急性期であるこの打撲症状に対しても、施術が可能であり早期回復を可能にする方法です。
東洋医学の部類でも「あん摩・マッサージ・指圧」のテクニックでは、急性期の症状に対して直接的に施術することは非常にリスキーなものになってしまいますが「鍼灸治療」であれば、施術することも可能になってしまうのです。
私がロサンゼルス・ドジャースで、日本人トレーナーとしての存在感を示すことができたのも、この「鍼灸治療」のお陰と言っても過言はないでしょう。
通常西洋医学の考えには無いテクニックですから、施術の内容・方法等を理解してもらうまでに時間はかかりましたし、結果を出して信頼を勝ち取るまでに2年ほどかかりました。
それでも、急性期に「鍼灸治療」で施術して翌日の状態が明らかに改善されているということが、メディカルスタッフや選手・監督・コーチに理解してもらうことで「いざとなったら鍼灸治療」という構図が出来上がった現実があります。
スポーツ医学の先進国であるアメリカの現場で、東洋医学の必要性を理解してもらうことができたというこの事実を考えると、皆さんがこれから学ぶ「鍼灸治療」は、とても優秀なテクニックであるということがわかると思います。
この「東洋医学」の誇りを持って、しっかりみっちりと理論の基本と技術の基本を身に付けてください。
基本が身についていないのに結果は出ません。結果を出せる施術者は、本当に基本を大切にします。
このことを絶対に忘れないでください。
そして人としての心を持って施術に臨めば、さらに良い結果がついてくると思います。
心と技術を一つにしてこそが「東洋医学」です!