湘南医療福祉専門学校

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深澤先生のブログ「Hand of god #2」

深澤先生のブログ「Hand of god #2」

<深澤英之 先生>
城西大学野球部、女子駅伝部、陸上部トレーナー
ヤクルトスワローズ(現 東京ヤクルトスワローズ)一軍トレーナー兼リハビリ担当
ヤクルトスワローズ(現 東京ヤクルトスワローズ)二軍トレーナー、二軍トレーニングコーチ
ヤクルトスワローズ(現 東京ヤクルトスワローズ)一軍トレーナー兼リハビリ担当
ロサンゼルスドジャースアシスタントトレーナー
株式会社ルートヴィガー設立(広尾店、銀座店)
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日本の四季の中で「春」という季節は、一番多くの身体的・精神的な障害が起こりやすい季節だそうです。

昨年のこのブログの中でも、季節による症状やその治療方法という内容を書きましたが、どうやらその要因になっていることとして脳の働きが関係しているようです。
一年の始まりは1月であっても日本人の社会生活スタイルとしては4月がポイントになることが多くあります。

「新入学」「新学期」「新生活」「新社会人」「新入社員」「新ポスト」・・・野球界でも基本的な開幕は4月です。
つまりは、生活の中で新しく始まることが多くあり、その新しいことに対する期待感や不安感が人間の脳の働きに大きく影響するということです。

極端に考えれば、脳の働きが目一杯になってくると「自律神経」に影響が出やすくなるということではないでしょうか。
交感神経が緊張や興奮を続けてしまうことにより、副交感神経とのバランスが崩れ体調にも大きな影響を及ぼします。

人間の身体は、筋肉にしろ血管にしろ、神経にしてもその多くが拮抗というバランスに支えられて活動しています。収縮する筋肉と伸長する筋肉があるから関節が動きます。送り出す血液と戻す血液があるから生命が維持されています。

その他の多くが、このような働きによって活動できるしくみになっているのが人間(生命)です。
このようなことを考えてみても、いかに「バランス」が重要であるかが理解できますよね。いわゆる東洋医学で言うところの「陰陽」の仕組みだと思います。

こう言ったバランスが崩れるから体調を崩しやすく、ひどくなると精神状態までもが崩れていくということになります。我々東洋医学の従事者は、このような症状に対してその原因を探り滞りを改善するサポートを行うわけです。

その結果、バランスが整って滞りがなくなり症状が改善され、健康を取り戻すことができると私は考えています。
私が携わってきた野球界でも同様であり、選手の体調不良(主に筋肉・関節の障害)の原因を突き止め、その症状改善のための施術を行ってきました。

例えば「腰痛」を起こしてしまった選手の治療を行う際には、「なぜ腰痛が起きているのか?」「その原因が筋肉レベルであるならば、前後左右のバランスがどうなっているのか?」といったようなことをチェックして、バランスを崩していると推察される部位の緊張を緩和させるために、鍼治療やマッサージ治療、物理療法を駆使して対応します。

そのバランスが整ってくると、不思議なくらい痛みが緩和され動けるようになるわけです。
実際に行ったケースとしては、疲労性腰痛によって腰部・臀部に痛みを感じ前屈動作に制限が起こりボールを投げようとする時に痛くて投げられないという投手がいました。

視診・触診・問診を繰り返しながら、筋肉の緊張部位を見つけ出し、その要因となっている部位に単刺での鍼治療を行い、また動作の過程で痛みを感じる部位に同じく単刺で鍼治療を行って、少しずつ筋肉の緊張を緩和させて可動域の確保を行っていきました。

最終的には痛みが緩和され、その日の試合でも登板することが可能になったという経験があります。
しかし、これで全てが終わりではありません。あくまでも一時的に動作できるようになったということで、最初から痛みなく全ての動作が普通に行えるようにするためには、その後の処置も重要になってきます。

この選手は、その後4~5回の施術を続け問題なくプレーを続行することができるようになりました。
これを振り返ってみてもやはり、前後のバランス(大腿二頭筋・中殿筋・腸腰筋)が崩れ、骨盤の前傾がとれなくなっていたことが一番の原因だったので、そこにアプローチしたことが改善への道だったのだと考えています。

ただ、そのような状況を作り出してしまったのは、日常一方向への動きが続き左右の大腿部周径囲に差ができていたことが考えられたので、治療だけでなくトレーニングでも左右差を無くすためのプログラムも継続してもらいました。

このように、我々は痛みの原因となっているであろう部位を見つけ出し、改善させるための施術を行いはしますが、それだけでなくその他の要素も取り入れながらそれぞれの症状に対応していくべきだと思います。

先ずは皆さん!根本を見つけ出し的確に処置できるための知識と技術を身に付け磨いてください。
そして健康状態を維持していくために、その後何が必要になるのか?ということまで補足できるようになってください。
そうすればあなたも「ゴッドハンド」と呼ばれるはずです!
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