湘南医療福祉専門学校

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深澤先生ブログ「Vital energy fiow#12」を更新しました

3年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。この一年、色々な部分で不都合なことや不便なことが多くあり、過去の3年生たちに比べたら比較にならないほど苦労されたのではないでしょうか。世の中では、まだまだ大変な状況が続いていますが、それでも資格を取得して次への一歩を踏み出せたということが素晴らしいことだと思います。


ご卒業される方たちは、もうすでに東洋医学のプロになったわけです。厳しい見方をすれば、プロとしてこれから多くの方々と関わっていくわけですから「自分はまだ新人ですから」という言い訳はできなくなります。東洋医学のプロとして人様の健康に一役買っていく以上、そこには新人もベテランもありません。


「何とかして欲しい」という思いに応えるべく、最善を尽くすしかないのです。今までも何度となく書かせていただきましたが「結果」を常に求められるのが、東洋医学の世界です。これからは、一年目であろうが十年目であろうが、常に「結果」を意識して取り掛からなくてはならないということです。


但し、これはあくまでも自分の意識と気持ちの持ち方の話です。今現在の自分の置かれている立場や知識・スキルも理解しなくてはなりません。プロではありますが、当然一年目があります。今現在できないことがあっても仕方ありませんが、できないことをできるようにしていくのがプロの務めです。それが経験であり自信になるものです。


その自信を身に着けていくためには、一つでも多くの経験値を積み上げていくことしかありません。実際に自分が施術者として経験することもそうだし、他の施術者が行っていることを見て・聞いて・感じることも自分の経験値になります。そして患者様の訴えを正面から受け止めて実感して、それに対処していくことがとても大事なことになります。


このブログのテーマは「流れ」ですから、そういう点で見れば東洋医学のプロ一年目の人たちが成長していく事柄にも「流れ」が存在するのです。これも以前からしつこく書かせてもらっていますが「流れを掴む」には、今現在できるレベルの中でやるべきことに取り組んでいくことがスタートになります。


「やるべきこと、できること」として考えれば、先ずは全ての患者様の顔色・動作・所作等を見る。実際に自分が施術に入れなくても、その情報から得たことを基盤にして患者様の訴えを聞く。それらを総合して自分なりの仮説を立てる。仮説を立てたら、そこから結果を出すためのアプローチ等のマネジメントを考える。その考えが他の施術者と同じなのか?違うのか?というところを見ていく。


このようなことは、自分が施術に入らなくてもできることであり、やるべきことです。その答え合わせを行っていくことで、マネジメント能力が身についていきます。そうすれば実際に自分が施術に入る時に大いに役立ってきます。このようなことから始めて、自分のスキルを上げていきながら今度は実際に施術している人が、どのような目的で・順番で・刺激で取り組んでいるのか?を見ることも必要ですし「自分ならこうする」という比較も必要になります。


この比較は決して自分を正当化するためのものではありません。世の中には色々なアプローチや技術があります。そこを見て知ることと自分との違いを理解することで、さらに自分の能力が上がっていき引き出しが増えていくのです。そういう意味での比較を行う癖をつけておくことが大切です。最初から多くの患者様に接する機会に恵まれるのであれば、それは自分にとっても大変喜ばしいことですが、入れなくても自分を磨く術はいくらでもあるということです。


このような「流れ」で仕事を覚えていければ、いつの間にか一人前のプロになっています。その後の成長は、どんどん実戦を経験することであり、そして失敗することです。失敗と言っても患者様を傷つけるような失敗はプロとして失格です。ここで言う失敗は「自分の考えたマネジメントで効果が出せなかった」「結果が出せなかった」ということです。そしてこの失敗から「何故失敗したのか?」「何故結果が出なかったのか?」という振り返りを行い自分の立てた仮説をもう一度検証し直すことです。


上手く結果が出せた時も同様です。「何故上手くできたのか?」「何故結果が出たのか?」を考えて知り、自分の仮説に根拠を持たせることが重要です。このような成功と失敗を繰り返しながら、根拠のある成功の確率を上げていくことができれば一年目であろうが十年目であろうが、いっぱしの東洋医学のプロになれるのです。私が在籍していたロサンゼルス・ドジャースでも監督からのミーティングでこのようなことがありました。


試合前の選手に対して「君たちはプロなんだから、バッターなら一打席目に結果が出せなかったら直ぐに自分の打席のビデオを見直して、次の打席では悪いところは修正して良い結果が出せるように行動しろ」という話をしてくれました。スポーツは相手との闘いなので、いつも良い結果が出るわけではありません。それでも結果を出すために何をしなくてはならないのか考えて行動しろということを言いたかったのだと思います。


私たち東洋医学の世界では、相手はいますが相手は完全に受け身の状態ですから、スポーツよりは仮説を立てることやマネジメントの部分では自分の思うように対応できます。だからこそ「やるべきこと」「やらなくてはならないこと」を明確にして、実行することができるのです。このようなことを続けていき、本当のプロになって欲しいと願います。先ずは自分が本物のプロになるための「流れ」を掴み、実行・実践してください。そしてもうひとつずっと忘れて欲しくないことは「患者様を大事に大切に」する心です。


心技体「相手を思う心」「相手を思う技術」「実行する体」と「流れ」を意識して身に着けて本物のプロになってくれることを強く願っています。皆さんが活躍される日を楽しみにしています。一年間お付き合いいただきありがとうございました。また新年度にお会いしましょう!



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