湘南医療福祉専門学校

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深沢先生ブログ「しなやかに#12」を更新しました

深沢先生ブログ「しなやかに#12」を更新しました

気づけばもう3月です。卒業する皆さん、おめでとうございます!そして卒業して国家資格を得たということは、もう皆さんはその時点で「東洋医学に従事するプロ」になったということです。プロ野球の世界でもドラフトで指名され、契約が成立した時点で野球のプロ選手となるわけですが、そこで良く言われることが「プロ野球選手になったというだけで、ここからが本当の戦いになる」ということです。

まあ野球の世界はドラフトで指名されて権利を得るとうことですが、その他のスポーツでもライセンスというものを取得してプレーできる権利を得るものも多数あります。代表的なところでは「プロゴルファー」「競輪選手」「競馬の騎手」「オートレース」「競艇」等など結構ありますよね。

何が言いたいのか?というと、このようなプロの世界でライセンスを取得するとプロの試合に出場して賞金を稼がなくては生きていけない世界だということであり、その試合で勝っていくためには経験豊富なベテランやスーパースターもいる中で「新人です」ということは言い訳にもならないということです。簡単に言ってしまえば「新人だろうがベテランだろうが、勝たなくては意味がない」ということです。

極論になってしまいますが、私たちの世界「東洋医学の従事者」でもライセンスを取得してたくさんの患者さんたちと接していく中では「新人です」ということは通用しないということです。もちろん、人間誰でも「最初の一歩」があるわけで、そこから多くの失敗と成功を経験して成長し自信と実績を積み重ねていきますから、仕事(施術)が完璧でなくてはならないということではありません。目指すべきは完璧で良いですが!

つまり、プロの選手たちがライセンス取得後に勝てるように努力し続けていくことと、我々東洋医学の従事者が患者さんの回復・改善のために努力をし続けていかなくてはならない責任ある立場になったということはある種同様であるということです。皆さんに対してのハードルを上げようとして、このようなことを書いているわけではありません。我々東洋医学の従事者は、患者さんの体を責任もって対応・対処していかなくてはならない仕事を行うわけですから、その責任においては甘いことは言えないということを理解していただきたいのです。


プロ野球の世界でも、先述したように「プロ野球選手になった」ということだけに満足してしまい、成功していくための努力を怠ってしまう選手は直ぐに戦力外となってしまいます。ドラフトで指名されて契約した時点で立ったのはプロ野球選手としてのスタートラインであり、そこから長く活躍して生き残れる選手になってこそ初めて本当のプロ野球選手となるのです。私はプロ野球やメジャーリーグの世界でたくさんの活躍する選手、力を出し切れず戦力外となった選手を間近で見てきました。

活躍していた選手たちに共通して言えることは、常に自己成長や進化を考え努力を怠らず一歩一歩地道に活動をしていました。年数を経験すればするほど、自身で取り組まなくてはならないことが増えていき、そこに発見や変化という要素を上手く取り入れて実行していました。逆に戦力外となってしまった選手たちに共通して言えることは、自分を中心に考えてしまい「こんなはずじゃない」「今日は調子が悪かった」というような言い訳的なことばかりが先行してしまい、発見や変化という要素を全く持っていませんでした。

そんな選手たちでも、ドラフトで指名されるくらいのレベルの選手ですから、みんな力は持っているのです。しかし、その力を発揮させられなかったということは、決して野球のスキルそのものが通用しないのではなく「考え方」「取り組む姿勢」が良くなかったということだと私は確信しています。そのような選手たちに対応・対処していくのが私の仕事でしたから、私自身も選手たちの想いに応えるべく、トレーナーとして施術者として常に自身の成長と進化を目指して取り組んできました。

私が自分で誇れるのはトレーナーとしての知識やスキル、東洋医学の従事者の一人としての知識や技術ではなく、常に選手たちと同じように戦っていくために自分の立場の中で常に進化し成長していくための努力を続けていたことです。そして何より「選手のためになること」「チームのためになること」という熱い想いだけは、どんな時でもずっと持ち続けていたということです。

これが私たち東洋医学の従事者にとって一番大事な心意気の部分だと思います。治療院の中では「患者さんのために」という一極集中で活動できます。冒頭で書かせてもらったように「新人だから」ということは、何の役にも立たないのです。知識や技術では経験豊富な従事者には勝てないのは当たり前です。しかし「患者さんのために必死に対応しよう」「とにかく一生懸命施術しよう」という考え方や心意気、熱意・熱量などは新人でもできることなのです。


前を向いて一歩一歩、一生懸命努力していくことは皆さんが「やろう」と思えばできることです。このような意思・意識を大前提として活動していって欲しいと願っています。もし皆さんが「自分は知識も技術力もあるから、能力で勝負していくんだ」と考えるのであれば、それは自分の成長の妨げになるでしょう。結果、患者さんのためにもならないでしょう。でも、常に謙虚な姿勢で進化・成長に目を向けて努力を継続できるのであれば、人としても信頼のおけるスーパー施術者になれます。

私は皆さんに、人から頼られる人間味のある素敵な東洋医学の従事者になって欲しいと願っています。


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