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湘南医療福祉専門学校

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深澤先生ブログ「あしたのために#3」を更新しました。

深澤先生ブログ「あしたのために#3」を更新しました。

前回は、あしたのためにその一「軽擦法」についてお話させてもらいました。スポーツマッサージの原点というべきものでもあり、施術に携わるためには無くてはならない手技でもあります。「軽擦に始まり軽擦に終わる」と言われるほど大事な手技ですね!

今回は、あしたのためにその二として「押圧」について話を進めていこうと思います。押圧とは読んで字のごとく「押して圧をかける」ということです。あん摩・マッサージ・指圧のテクニックで言えば「指圧」が一番近いと思います。コンプレッションをかけることで、筋肉を通して血管に刺激が伝わり血流を促進させることが可能になり、疲労の回復や損傷部位のリカバリーにもなります。

経穴を用いて押圧を繰り返すことで感覚神経を刺激して経絡としての疲労回復や体循環の促進を促しリカバリーさせるという点においては、考え方としてスポーツマッサージも同様です。ただスポーツマッサージの場合は、筋肉に対して物理的な刺激を直接与えることで、筋肉の緊張も緩和できるようになります。このようにスポーツマッサージでは、神経や血管に対する刺激だけでなく筋肉や腱、靭帯と言った組織そのものにも物理的な刺激を加えることで、その効果を大きくさせることができるという手技になるわけです。

その手技の一つとして、今回のテーマである「押圧」というものがあります。この押圧のテクニックの中に「剥がす」という感覚を持って私は臨んでいます。また次回のテーマになる「揉捏」という手技に最も近く揉捏のベースになっている手技でもあります。ここでは、揉捏テクニックに入る前の段階として押圧を使っていきます。押圧による「剥がす」というテクニックをご紹介していきましょう。

いわゆる押圧は、垂直に圧を入れて刺激しますが私が行っている押圧は、アプローチする部位にもよりますがどちらかというと斜め方向に圧を入れていきます。わかりやすい例で言うと背部の施術をする際に、脊柱の両側に脊柱起立筋という筋肉が存在しています。その起立筋と脊柱の際に指を当てて斜め下方向に圧を入れることで、押圧による刺激と脊柱から起立筋を引き剥がす物理的刺激が加えられます。

実際に脊柱から起立筋が剥がれることはありませんが、物理的な刺激のイメージとしてそのような方向に圧を加えることで筋肉の緊張によって脊柱の動きが制限されていた部位をリラックスさせて可動域を広げることができるようになります。通常骨格は筋の張力に左右されやすいものです。姿勢が崩れるということも、筋肉のアンバランスな緊張によって骨格が引っ張られ姿勢を乱す要因になっていますから、そのバランスを整えていく手始めとして筋肉のリセットが必要になってくるわけです。

そのリセットを効率良く行うために、押圧による「引き剥がし」という作業が重要になります。筋肉は筋膜で覆われておりその繊維組織が骨との癒着を起こしやすくなってしまい、動作の制限や骨格のズレを生み出してしまいますから、その悪い状況を改善していくためにも最終的には血流量の増大や体循環の促進ということを目指しますが、そこにいく過程でのアプローチとして「押圧による引き剝がし」というテクニックが重要になってくるのです。

指圧として背部の二側線・三側線に押圧をかけることで、筋肉に対しても経穴・経絡的にも刺激を入れるという部分では同じことと言えますが、明らかに違うことは「剥がす」という作業で物理的効果を出させるために圧を入れる方向を変えるということです。このように体調を改善していくための順番として押圧による引き剥がしは、これから行っていく手技での効果を大きくさせるために重要な役割となっているのです。

また、施術する部位や状態によって、同じ押圧でも刺激量のコントロールをしていかなくてはなりません。人間の体はとても敏感であり繊細です。どんなに強刺激に耐えられる人であっても、生理的に受け入れやすくする必要がありますから、そのためのテクニックとして手根を用いたり手のひら全体を用いたりもします。指先というピンポイント的な刺激を体に入れる場合、人間の防御反応が出てしまい筋肉がさらに緊張してしまうこともあります。

そのような状態になってしまうと、せっかくの施術も効果なく終わってしまいますから、受け入れやすい状態を作るために先ずは手のひらや手根という手の当たる面積を広くとって、相手がリラックスできた状態を作ってから本格的に剥がすための母指によるピンポイント的なアプローチへと流れていくことが大切です。

今回は「押圧」というベースになるテクニックの中での一つのアプローチ方法として「剥がす」というテクニックを紹介しました。但し、スポーツマッサージの効果を最大限に引き出すためには、テクニックだけでなくアプローチする順番・順序があり、それがとても重要なことだと言うことがおわかりいただけたでしょうか?「あしたのために、その二」にあたる「押圧」というテクニックが生きてくるかどうかも、そこまでの準備がしっかり整っているかどうかでその結果が変わるということも合わせて覚えておいて欲しいと思い
先日ボクシングの井上尚弥選手がテレビに出演され話をしていた中に「自分のパンチの基本はジャブ」「そのジャブが試合を作りペースを作り勝利に導く」という話をしていました。「ジャブは決して試合を決めるパンチではないが、最終的に勝利に導いてくれる重要なパンチです」というコメントが実に印象的でした。

この「あしたのために」というテーマの根源となっている「あしたのジョーのその一は、ジャブから始まっています」極端に解釈すれば、このスポーツマッサージでの「あしたのために」にあたる「軽擦」「押圧」そして次回のテーマとなる「揉捏」というテクニックが、スポーツマッサージで効果を発揮させる重要なテクニックになるということと同じだと言うことです。
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