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深澤先生ブログ「あしたのために#9」が更新されました

深澤先生ブログ「あしたのために#9」が更新されました

2022年も残すところ後1か月となってしまいました。つい先日、今年の日本シリーズ「東京ヤクルトスワローズ」対「オリックスバファローズ」の戦いがオリックスの26年振りの優勝で幕を閉じたばかりでが(これを書いている現在が11月初めなので)、やはり「野球シーズンが終わると今年も終わってしまうのだな」と、改めて実感しているところです。

昨年と同じ顔合わせとなった日本シリーズですが、今年もまた見事な戦いぶりを見せてもらい「これぞプロ野球」といったプレーの数々を観ることができて、私も胸が熱くなりました!ペナントレースにはペナントレースの戦い方があり、日本シリーズには日本シリーズの戦い方があります。いわゆる短期決戦としての戦い方ですね。

その戦い方を徹底して表現できたオリックスに軍配が上がったというところでしょう。昨年は、ヤクルトがその戦い方を実践できて、今年は逆にオリックスが短期決戦のお手本となる戦い方を見せてくれました。極論で言うと「勝つために戦力を分析して把握して、どう戦えば勝利に繋げられるか?というプログラミングをして、それを実行する。」さらに「戦況を把握してアクシデントやハプニングに備えて、即時対応する。」ということです。

これって、我々東洋医学の従事者が行うことと同じだと思いませんか?我々も、施術者自身の力量を把握して、患者さんの状況を分析し把握して、どこに問題がありどうすれば改善できるか?を考え、どう治療するかというプログラミングをして施術に当たります。そしてその過程において状況を把握しながら、変更が必要となれば即時対応できるように対処していきます。

まあ、おそらく世の中の全てのことが、このような仕組みで動いているのだと思います。つまりは、これらが原則でありこの原則に則って遂行していくことが最も重要なことなのではないでしょうか?ただ一つスポーツとの違いは、お互いが原則に則って遂行していても勝つことと負けることに分かれてしまうということだけです。我々東洋医学の従事者にとっては、勝敗に関係なく原則に則って遂行していけば、最終的に目的地に到達することが可能になるというところです。


そのような原則に則った遂行で結果を出していくために「あしたのために」の応用編が必要になってきます。今回は応用編として「押圧」について話を進めていきます。単純に「押圧」と言えば、母指で垂直に圧を入れていく手技が基本線にあります。特に背部に対して太腿の裏や背中、腰といったあたりに、この押圧で圧を入れて施術していくことが多いのではないでしょうか。


ただ、この押圧も我々スポーツマッサージの手技として行う場合には、単純な垂直圧ではなく圧をかけながら微妙に母指を動かして狙ったポイントをピンポイントだけではなく、その周り全体にも刺激を届けられるよう技術を駆使します。母指の動き方としては、垂直に圧を入れた状態で少しズラす感じになります。若干揉捏に近い動きにはなりますが、押圧をかけながら動かすことでより深部に圧を送ることが可能になるわけです。

さらに言うと、例えば背部二側線に垂直圧だけを加えると受けている人は重さを感じ、力を入れすぎると押されている間は苦しさを感じてしまいます。結果的に施術が終わり体位を変換する時にスムーズな移動ができない状態にもなってしまうので、二側線の脊柱起立筋を捉えたら圧をかけながら少し外側に捉えた筋肉をそのまま動かしてあげる感じで施術すると苦しくなく、背部全体に刺激を届けられ体位変換も非常にスムーズに行うことができるのです。

この場合は脊柱起立筋を脊柱の際から母指をあてて剥がすようなイメージで行っていきます。ひとつひとつの独立した動きの連続になりますが、この刺激は揉捏とは違い圧をかけながら剥がされる感覚は施術後の爽快感さえ生まれます。良く筋膜リリースと言われますが、イメージはそのような感じです。まあ私個人は、筋膜リリースはあり得ないと思っているので、こう表現することが間違っているかもしれませんが、それでも押圧をかけながら少し動かしてあげることで、受ける感覚は間違いなく変わっていきます。

ただし、あくまでもスポーツマッサージの手技のメインは次回にお話しする「揉捏」ですから、この押圧の手技はあくまでも揉捏を行う前の準備段階にある技術だということをご理解ください。押圧という技術に少し変化をつけることで、受ける人の苦しさを減らしつつメイン技術でしっかりメンテナンスするための準備を整えておくことが、施術の効果を最大限に発揮させることにつながるということです。

このテクニックは、術者の指にはかなり負担とはなります。しかし、良い施術を行い効果を発揮させるためには絶対に必要なテクニックです。我々の会社のスタッフも辛く意外と難しいので、技術習得を諦めてしまうこともよくありますが、それでも人を元気にしようという本気の気持ちがあれば必ず身に付けることができます。ここでも焦らずじっくりと地道に技術習得して自身の強さも身に付けましょう!
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